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2006年6月 4日 (日)

映画「ヒトラー最期の12日間」を観て―2005.10―(Ⅰ)

 ヒトラーが君臨する第三帝国が崩壊するまでの日々をドイツ人の手で描いた映画「ヒトラー最期の12日間」を観た。原題はDer Untergangで、滅亡、破滅、陥落、没落といった意味があるという。

 155分という長い時間が、ものの30分くらいにしか感じられなかった。その間集中が全く途切れることがなく、それなのに少しの疲れも覚えなかった。不思議だった。製作者の高潔な霊気に抱擁されていたからだろうか?

 映画を観ている間、まるで自分が映画の舞台となった「狼の巣」と呼ばれる地下要塞にいるような心地がしていた。登場人物――主要人物から名もないベルリン市民に至るまで――が鋭く、また丁寧に描かれていて、ひとりひとりが人間らしい自然な厚みを感じさせた。

 第二次大戦後、ナチスをテーマにした映画はドイツ以外の国々でさまざま製作され、ナチズムを倒錯的愛欲的側面から描いたリリアーナ・カブァーニ監督「愛の嵐」のごとき映画まで製作されるに及んだ。

 表現は自由であるべきなのだろうし、ナチズムの実態がどうであったかは計りしれない部分があるにしても(カヴァーニ監督は映画製作に当たり、ナチスの被害者の女性たちを取材したという)、「ヒトラー最期の12日間」の脚本・製作を手がけたベルント・アイヒンガーが「私はドイツ語を使い、ドイツ人俳優とドイツ人監督でこの映画を撮影したかった」というこのような映画を観た後では、それまでの映画が何か不謹慎であったかのように感じられてしまう。〔〕 

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