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2006年6月25日 (日)

れくいえむ ~その2~1995.4

     承前
          散らばる桜色の骨は、炉から出たばかり。
          まだあたたかい。

          八十の春夏秋冬のめぐりが完了。
          バースデー・カードの裏側に、死が貼りついていた。
          
          虚空に放たれた、
          人生のくさぐさの諧調よ、ありあまる重みよ。
          頭蓋骨のなだらかなスロープの内側で、
          白熱していた知性。
          眼窩に、アーモンドのかたちの、
          やさしい眼があった。

          マーガレットの花と共に燃え立った、
          肉の装い、心臓、アーモンドのかたちの眼も。

          だが、死者は肉体をなくしただけ。
          霊感は、死者を悼むわたしの自己陶酔を破り、
          生命の連続性を、野暮ったく叩き込む。
                                  

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